お金の話をしない家庭で育った私が、50代で感じたこと

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もっと早く、お金の話をしておけばよかった

子どもの頃、我が家ではお金の話をほとんどしませんでした。
生活が苦しかったわけでも、特別裕福だったわけでもありません。ただ、「お金のことは子どもが口にするものではない」という、暗黙の空気がありました。

親が家計について話す場面を見た記憶はほとんどありません。給料がいくらなのか、何にどれくらい使っているのか、貯金があるのかどうかも知りませんでした。今思えば、それが普通だと思って育ってきたのだと思います。

その影響は、大人になってからも続いていました。

社会人になり、自分でお金を稼ぐようになっても、お金の話はどこか「苦手」でした。保険の話、貯蓄の話、将来のお金の話。必要だと分かっていても、正面から向き合うことを避けていた気がします。

結果として、保険は勧められるままに加入し、銀行口座やクレジットカードも整理しないまま増えていきました。自分で判断しているつもりでも、実際は「誰かが決めたものをそのまま受け入れていただけ」だったのだと思います。

当時の私は、「お金の知識がないから仕方がない」と思っていました。でも、50代になって振り返ると、問題は知識以前のところにあったように感じます。

それは、「お金について話すこと自体に慣れていなかった」ということです。

お金の話をすることは、どこか下品なこと、はしたないこと、あるいはトラブルの元になること。そんな無意識の思い込みが、自分の中に根付いていました。そのため、自分の収支を把握することも、家族と将来のお金について話すことも、後回しになっていたのだと思います。

転機になったのは、家計を見直そうと本気で思ったときでした。通帳や保険証券を一つずつ確認し、ようやく「自分のお金の全体像」と向き合いました。その作業は、正直に言えば少し怖さもありました。見たくない現実があるかもしれない、という気持ちもあったからです。

けれど、実際にやってみると、必要以上に恐れていたことに気づきました。分からなかったから不安だっただけで、見えてしまえば対処できることがほとんどだったのです。

同時に感じたのは、「もっと早く、お金の話をしておけばよかった」という思いでした。

もし子どもの頃から、家で少しでもお金の話を聞いていたら。
もし「分からなくて当たり前」「話していいもの」だと感じられていたら。
お金との向き合い方は、少し違っていたかもしれません。

ただ、過去を悔やんでも仕方がありません。大切なのは、今からどうするかです。

私は今、お金の話を「特別なもの」にしないよう心がけています。難しい知識を身につけることよりも、まずは把握すること、話すこと、考えること。その積み重ねが、不安を減らしてくれると実感しています。

お金の話をしない家庭で育ったからこそ、同じように感じている人も多いのではないでしょうか。もし、お金のことが苦手だと感じているなら、それは能力の問題ではなく、環境の影響かもしれません。

そう考えるだけでも、少し気持ちが楽になるように思います。

今からでも遅くはありません。自分のお金を知ること、向き合うことは、これからの安心につながっていくはずです。

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