誰もが使っているのに意外と知らない公的保険の話

生活の土台として機能している公的保険

「保険」と聞くと、生命保険や医療保険などの民間保険を思い浮かべる人は多いかもしれません。
私自身も以前は、「もしものときのために、何かしら保険に入っておいたほうが安心だろう」と考えていました。

ところが、あらためて調べてみると、日本にはすでに生活の土台として機能している公的保険がいくつもあり、私たちは日常的にその恩恵を受けていることに気づきました。

それにもかかわらず、その中身をきちんと説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。
この記事では、誰もが使っているのに意外と知らない「公的保険」について、具体例と整理表を交えながらやさしくまとめてみます。

目次

公的保険とは?民間保険との違い

まず、公的保険と民間保険の違いを整理します。

公的保険と民間保険の違い

項目公的保険民間保険
運営国・自治体保険会社
加入原則強制任意
保険料所得に応じて決まる年齢・内容で変動
役割最低限の生活を守る不足分を補う
代表例健康保険、年金、雇用保険医療保険、生命保険

公的保険は「みんなで支え合う土台」です。
民間保険は、その土台の上に必要に応じて上乗せするものと考えると分かりやすいでしょう。

例① 病院にかかったときに支えてくれる健康保険

病院に行ったとき、窓口で支払うのは医療費のすべてではありません。
多くの場合、現役世代は3割負担で済んでいます。

医療費の具体例

  • 医療費総額:10,000円
  • 窓口負担:3,000円
  • 残りの7,000円は健康保険から支払われる

さらに、医療費が高額になった場合でも、負担が際限なく増えることはありません。
そこで重要になるのが高額療養費制度です。

高額療養費制度とは?医療費に上限を設ける仕組み

高額療養費制度とは、
1か月(月初〜月末)の医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合、超えた分が戻ってくる制度です。

つまり、
👉 どれだけ医療費がかかっても、自己負担には上限がある
という点が大きな安心材料です。

自己負担上限額の目安(70歳未満)

年収の目安月の自己負担上限
約370〜770万円約8〜9万円
約770〜1,160万円約17万円
住民税非課税世帯約3〜4万円

※あくまで目安で、条件により異なります。

具体例:医療費が100万円かかった場合

  • 医療費総額:100万円
  • 本来の3割負担:30万円
  • 高額療養費制度適用後:約8〜9万円

差額の約20万円は、後日払い戻されます。

限度額適用認定証を使えば「最初から」負担を抑えられる

高額療養費制度は基本的に「あとから戻る」仕組みですが、
事前に限度額適用認定証を申請しておけば、窓口での支払い自体を抑えることができます。

利用の流れ(図解的イメージ)

① 入院・手術が決まる
↓
② 健康保険へ申請
↓
③ 限度額適用認定証を受け取る
↓
④ 病院で提示
↓
⑤ 支払いは自己負担上限まで

この制度を知っているかどうかで、
一時的な出費の負担は大きく変わります。

例② 老後の生活を支える年金という公的保険

年金も公的保険の一つです。
「年金だけで足りるのか不安」という声は多いですが、
年金の役割は老後のすべてをまかなうことではありません。

年金の役割

観点内容
基本収入最低限の生活を支える
長生き対策生きている限り支給
無収入回避老後の収入ゼロを防ぐ

年金は「老後の土台」と考えると、見え方が変わってきます。

例③ 働けなくなったときも公的保険が支える

病気やケガ、失業といった場面でも、公的保険は機能します。

働く人を支える制度

状況制度
病気・ケガで休職傷病手当金
失業した雇用保険
長期的に働けない障害年金

「収入が突然ゼロになる」リスクを和らげる役割を果たしています。

公的保険を知ると、保険の考え方が変わる

公的保険を具体的に知ることで、
「何が不安なのか」が整理しやすくなります。

  • 医療費そのものが不安なのか
  • 収入が途切れることが不安なのか
  • 老後の生活が不安なのか

公的保険でカバーされる部分を理解したうえで、
民間保険を検討することが、無理のない備えにつながります。

まとめ:まずは「知ること」が安心につながる

公的保険は、
✔ すでに加入していて
✔ すでに使っていて
✔ それでも意外と知られていない

そんな存在です。

すべてを完璧に理解する必要はありません。
まずは、自分がどんな制度に守られているのかを知ること
それだけでも、お金や将来への不安は少し軽くなると感じています。

※ 制度の詳細や最新情報は、加入している健康保険組合や公的機関の案内をご確認ください。

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