家族や友人にすすめるETFシリーズ①|VTIはおすすめ?

目次

米国市場まるごと投資できる王道ETF

これまでこのブログでは、「家族や友人にすすめる投資信託シリーズ」として、オルカンやS&P500、NASDAQ100などをご紹介してきました。
投資信託は、100円程度から積み立てられる商品も多く、資産形成を始めたばかりの方にも取り組みやすい仕組みです。
一方で、投資について調べていると、「ETF」という言葉を目にする機会も増えてきます。
「ETFって何?」
「投資信託と何が違うの?」
「初心者でも買えるの?」
「家族や友人にすすめるなら、どれがいいの?」
私自身も投資を始めた頃は、ETFと投資信託の違いがよく分かっていませんでした。
そこで今回から、新しく「家族や友人にすすめるETFシリーズ」を始めます。
第1回は、米国株式市場ほぼ全体へ投資できる代表的なETF、VTIをご紹介します。

そもそもETFとは?

ETFとは、**Exchange Traded Fund(上場投資信託)**の略です。
名前のとおり、証券取引所に上場している投資信託で、株式と同じように市場が開いている時間に売買できます。
ETFも一般的な投資信託も、1つの商品を通して数百社、数千社へ分散投資できる点は同じです。
主な違いは、価格の決まり方や購入方法、分配金の扱いにあります。

投資信託とETFの違い

項目投資信託ETF
売買価格1日1回決まる基準価額市場でリアルタイムに変動
購入方法金額を指定して購入しやすい株式のように口数を指定して注文
最低購入額100円程度からの商品も多い原則として1口単位
積立自動積立しやすい証券会社によって対応が異なる
分配金再投資型を選びやすい現金で受け取ることが多い
取引通貨日本円の商品が中心米国ETFは米ドルで取引
投資信託は、毎月決まった金額を自動で積み立てたい人に向いています。
一方、ETFは、自分で価格を確認して注文したい人や、海外の代表的な商品を直接保有したい人に向いています。
ただし、ETFだから必ず投資信託より低コストとは限りません。最近は、日本の投資信託にも低コストの商品が増えています。
どちらが優れているかではなく、自分の目的や管理のしやすさに合う方を選ぶことが大切です。

今回紹介するVTIとは?

VTIの正式名称は、Vanguard Total Stock Market ETFです。
米国の大手運用会社バンガードが運用しており、米国株式市場の大型株から小型株まで幅広く投資します。
連動を目指す指数は、CRSP US Total Market Indexです。
簡単に言えば、VTIは、
「米国を代表する大企業だけでなく、これから成長する可能性がある中小企業までまとめて保有するETF」
です。
米国株式市場のほぼ全体をカバーするため、「アメリカ経済全体へ投資するETF」と表現されることもあります。VTIの経費率や保有銘柄、運用状況などはバンガード公式サイトで随時更新されています。

VTIの基本データ

項目内容
ティッカーシンボルVTI
正式名称Vanguard Total Stock Market ETF
運用会社バンガード
設定日2001年5月24日
連動指数CRSP US Total Market Index
経費率年0.03%
投資対象米国の大型株・中型株・小型株
保有銘柄数約3,500銘柄
分配回数年4回が基本
※経費率や保有銘柄数などは変更される可能性があります。購入前には必ず最新情報をご確認ください。

VTIを家族や友人にすすめたい5つの理由

① 米国市場の約3,500銘柄へ分散できる

VTIは、米国を代表する大型企業だけでなく、中型株や小型株も含めた約3,500銘柄に分散投資します。
個人でこれだけ多くの企業を調べて購入するのは現実的ではありませんが、VTIなら1本購入するだけで幅広く保有できます。
ただし、銘柄数が多いからといって、すべての企業を同じ割合で保有するわけではありません。
時価総額の大きな企業ほど組入比率が高くなるため、実際にはApple、Microsoft、NVIDIA、Amazonなどの大型企業の影響を強く受けます。

② 経費率は年0.03%

VTIの経費率は、年0.03%です。
100万円を1年間保有した場合、単純計算による運用コストの目安は約300円です。
500万円なら約1,500円、1,000万円なら約3,000円になります。

投資金額年0.03%のコスト目安
100万円約300円
500万円約1,500円
1,000万円約3,000円
実際の費用は日々の純資産から差し引かれるため、別途請求書が届くわけではありません。
わずかな差に見えても、投資期間が10年、20年と長くなるほど、低コストであることは大きなメリットになります。
ただし、日本から購入する場合は経費率以外に、証券会社の売買手数料、為替手数料、税金などがかかる場合があります。

③ 大型株だけでなく中小型株の成長も取り込める

S&P500に連動するETFは、米国を代表する大型企業約500社が中心です。
一方、VTIは大型株に加えて中型株や小型株も含みます。
今はまだ小さくても、将来大きく成長する企業があれば、その成長を取り込める可能性があります。
もちろん、小型株を含めたからといって、必ずS&P500を上回るわけではありません。
それでも、「今の大企業だけでなく、米国市場全体を保有したい」という考え方にはよく合っています。

④ 銘柄選びや入れ替えを自分で行わなくてよい

企業は常に成長し続けるわけではありません。
成長して存在感を高める企業がある一方で、業績が悪化し、市場での比率が小さくなる企業もあります。
VTIは連動指数に基づいて構成銘柄や比率が調整されるため、投資家が一社ずつ調べて入れ替える必要がありません。
この「自動で新陳代謝が行われる仕組み」は、長期のインデックス投資における大きな魅力です。

⑤ 2001年から続く長い運用実績がある

VTIは2001年5月に設定されました。
運用期間は20年を超えており、その間にはITバブル崩壊後の低迷、リーマン・ショック、コロナショックなど、さまざまな相場を経験しています。
運用期間が長いから将来も必ず安心というわけではありませんが、短期間で終了した商品ではなく、長年運用されてきた点は判断材料の一つになります。

VTIとVOOの違い

VTIとよく比較されるのが、S&P500に連動するVOOです。

項目VTIVOO
投資対象米国株式市場ほぼ全体S&P500採用企業
保有銘柄数約3,500銘柄約500銘柄
経費率年0.03%年0.03%
大型株含む含む
中型株・小型株含む原則として含まない
特徴米国市場全体を広く保有米国の代表的大型企業に投資
VOOも経費率年0.03%の低コストETFです。
両方とも大型株の比率が高いため、値動きは比較的似ています。
違いを簡単に整理すると、
米国市場全体を保有したいならVTI
代表的な大型企業に絞りたいならVOO
という考え方になります。
どちらが必ず有利というわけではありません。投資対象をどこまで広げたいかで選ぶのが分かりやすいでしょう。

VTIのメリット

VTIの主なメリットは次のとおりです。
・米国株式市場ほぼ全体へ投資できる
・約3,500銘柄に分散できる
・経費率が年0.03%と低い
・大型株だけでなく中小型株も含まれる
・銘柄の入れ替えを自分で行わなくてよい
・20年以上の運用実績がある

VTIのデメリットと注意点

VTIにも注意点があります。

米国以外の国には投資しない

VTIの投資対象は米国株です。
日本、欧州、新興国などの企業は基本的に含まれません。
世界全体へ分散したい場合は、全世界株式ETFのVTなどが比較対象になります。

為替の影響を受ける

VTIは米ドルで取引される米国ETFです。
VTIの株価が上昇しても、円高が進むと円換算した資産額が減ることがあります。
反対に、円安になれば円換算額が増えることもあります。

分配金は自動再投資されないことが多い

日本の投資信託では、分配金を出さずにファンド内で再投資する商品が多くあります。
一方、VTIでは分配金が現金で支払われます。
複利効果を重視する場合は、受け取った分配金を自分で再投資する必要があります。

外国税や国内税が関係する

米国ETFの分配金には、米国と日本の税金が関係します。
NISA口座で保有していても、米国側の課税が残る場合があります。
また、外国税額控除の利用には条件があるため、投資信託より税金の仕組みが少し複雑です。

1口購入するためにある程度の資金が必要

VTIは原則として1口単位で購入します。
株価や為替相場によっては、1口買うだけでも数万円の資金が必要です。
証券会社によっては米国株の積立や少額購入に対応していますが、100円から積み立てられる投資信託ほど手軽ではありません。

VTIは新NISAで購入できる?

VTIは、取扱いのある証券会社を通じて新NISAの成長投資枠で購入できます。
一方、基本的にはつみたて投資枠の対象ではありません。
毎月少額を自動で積み立てたい場合は、VTIを主な投資対象とする投資信託も選択肢になります。
例えば「楽天・全米株式インデックス・ファンド」は、VTIを実質的な主要投資対象としています。
ETFを直接購入する方法と、投資信託を通して間接的に保有する方法の違いを整理すると、次のようになります。

項目VTIを直接購入VTIに投資する投資信託
購入通貨米ドルまたは円貨決済日本円
購入単位原則1口100円程度から
分配金現金で受け取るファンド内で再投資される商品もある
積立のしやすさ証券会社による自動積立しやすい
管理の手間やや多い比較的少ない
初心者が資産形成を始めるだけなら、投資信託の方が簡単な場合もあります。
ETFを直接保有することに魅力を感じるか、手軽な自動積立を優先するかで判断するとよいでしょう。

VTIはどんな人に向いている?

VTIは、次のような人に向いています。
・米国株式市場全体へ投資したい人
・10年、20年という長期保有を考えている人
・大型株だけでなく中小型株も含めたい人
・低コストの米国ETFを保有したい人
・分配金や為替を自分で管理できる人
反対に、次のような人には投資信託や他のETFの方が合う可能性があります。
・100円程度から完全自動で積み立てたい人
・分配金を自分で再投資するのが面倒な人
・米国だけでなく全世界へ分散したい人
・為替や外国税の仕組みをできるだけ簡単にしたい人

青さんのVTI評価

評価項目青さん評価理由
初心者向け★★★★☆商品は分かりやすいが、米国ETFの購入や税金には少し知識が必要
分散性★★★★★米国の大型株から小型株まで約3,500銘柄を保有
成長期待★★★★★米国株式市場全体の成長を取り込める
低コスト★★★★★経費率は年0.03%
分配金★★☆☆☆高配当目的の商品ではない
手軽さ★★★☆☆投資信託より売買や再投資に手間がかかる
家族へのおすすめ度★★★★☆良いETFだが、完全な初心者には投資信託も併せて紹介したい

青さんなら家族や友人にすすめる?

もし家族や友人から、
「米国ETFを1本買うなら、どれがいい?」
と相談されたら、私はVTIを有力候補として紹介します。
理由は、米国市場全体への幅広い分散、年0.03%という低い経費率、20年以上の運用実績がそろっているからです。
ただし、投資を始めたばかりの人に、無条件でVTIだけをすすめるわけではありません。
毎月少額を自動で積み立てたい人には、低コストの投資信託の方が続けやすい場合もあります。
私なら、
「手軽さを優先するなら投資信託」
「米国ETFを直接保有したいならVTI」
という違いを説明したうえで、本人に合った方を選んでもらいます。
大切なのは、人気商品を買うことではなく、無理なく長く続けられる商品を選ぶことです。

まとめ

VTIは、米国株式市場ほぼ全体へ1本で投資できる代表的なETFです。
約3,500銘柄に分散でき、経費率は年0.03%。大型株だけでなく中型株や小型株も含まれています。
一方で、米国以外には投資しないこと、為替の影響を受けること、分配金の再投資や税金の管理が必要になることには注意が必要です。
VTIは、
「米国市場全体を長期で保有したい人」
にとって、有力な選択肢の一つです。
ただし、ETFを直接購入することにこだわらなければ、VTIを投資対象とする投資信託を利用する方法もあります。
商品そのものの良さだけでなく、自分にとって続けやすいかどうかまで考えて選びたいですね。

次回予告

次回は、米国だけでなく世界中の株式へ投資できるETF、VTをご紹介します。
「米国市場全体のVTI」と「全世界株式のVT」では何が違うのか、家族や友人にすすめるならどちらが向いているのかを考えていきます。

※本記事は特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資には元本割れの可能性があります。商品の内容や手数料、税制などを確認し、ご自身の判断と責任で投資してください。

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